「地中海式食事法」の実践料理教室を始めます。

台風・豪雨に暑さの厳しかった夏を過ぎ、また地震や台風に引き続いて長雨の秋がやってきました。体調管理のむずかしい時期でしたが、いかがお過ごしでしょうか?

さて、この度コルノ・ボヴィーノでオリーブオイルを使って「地中海式食事法」の講座を行うことになりました。

地中海沿岸地方では、心臓病や糖尿病などの生活習慣病にかかる人が少ないという研究報告があります。その背景には、地中海式の食生活や日々の身体活動による習慣があり、また認知症や老化にも関係があるとわかってきました。

この講座では、地中海式食事法についてのレクチャー、オリーブオイル・テイスティング、オリーブオイルを使った地中海食の料理、全粒粉を使ったパンやパスタ作り体験を通して、参加者それぞれが本当に自分に合った食事とは何かを探って行きます。

入門コースは全6回です。一日の講座は約45分の座学〔レクチャー〕パートと、2~3時間の料理実践〔プラクティス〕パートからなります。はじめは難しいことを考えず、「こんな風にオリーブオイルを使うのか」とか、地中海食の摂り方に馴染むことを楽しんでいただけたらと思います。

地中海式食事法について

「地中海式食事法(Mediterranean Diet)」とは、もともと地中海沿岸の国々(イタリア・ギリシャ・スぺイン・フランス南部・モロッコ・ポルトガル・キプロス・クロアチア等々)の人たちが行っていた食生活と身体活動、つまりは健康的な生活習慣がモデルになっています。これらの国々はそれぞれ文化や宗教、政治経済状況、民族も異なっています。ところが、これほどの違いがあるなかで、共通していることがいくつかあります。

それは、伝統的に農作物や牧畜、漁業から得られる食物に恵まれていたこと、オリーブオイルを基本的な脂質の供給源としていることです。これらの国々は“地中海”という交易の場(地中海に面する国は2018年現在で22か国あります)を介して、異なる食材や食文化を取り入れ交流し、その時々のニーズに合わせて、その土地に合った地中海食を発展させていきました。

ところが、今ではこれらの国々も第二次世界大戦後に大きく変わったライフスタイルの影響で、かつての食・生活習慣がすたれ健康上の深刻な問題がみられるようになりました。そこで、また地中海食の習慣を取り戻そうという動きが国家レベルで起こっています。なぜかと言うと、地中海沿岸地域には現在でも「地中海式食事法」の生活を実践しているモデル地域があります。そして、その街や村では他の地域の住民と比べて遺伝的に特に恵まれているわけでもないのに、健康長寿だという統計が出ているのです。

地中海式食事法の研究

1950年代にアメリカで心血管疾患による死亡率がもっとも高かったとき、アメリカ人の生理学者アンセル・キーズ博士は当時のイタリアで心血管障害による健康上の問題はほとんどないということを知りました。そこには食事習慣が関係しているのではないかと考え、地中海地域の食事法について調査・研究を始めました。その食事法を「地中海式食事法 (Mediterranean Diet)」という名付けたことで世界に広く知られることになったのです。

こうして「地中海式食事法」の研究が始まったのは1950年代ですが、以降も世界の研究機関でリサーチが進められてきました。科学研究から新たに発見されたこと、疫学研究と調査結果そして現代人のライフスタイルを考慮して、地中海式食事法で有名な「食のピラミッド」はアップデートされています。

食卓の歓びを感じること。

その地中海式食事法は、ただ身体に良い食物を摂ることだけを推奨しているのではありません。運動をすること、空気が澄んでいること、みんなで楽しい時間と食べ物を分かち合うことが伴って、食卓の歓びを感じることが健康的な生活に必要だとされています。これが冷蔵庫の前でトマトをかじることは地中海式食事法ではない、と言われるゆえんです。

コルノ・ボヴィーノの講座では、地中海式食事法とそれに関連して行われているさまざまな研究を参照して、どのようなことが実証されているのかを学びながら実践していきます。

そして地中海式食事法をスタート地点にして、参加者の方々がそれぞれご自分の身体に耳を傾けて「本当に自分に合った食事とは何か?」を見つけていくことをこの講座で目指します。これをパーソナライズド・ダイエット(個人に合わせたダイエット)と言います。人にはそれぞれ遺伝した体質があります。さらに食生活の影響を受ける私たちの腸内細菌叢は、人によっても年齢によっても変わると言われています。ですから、良いと言われるものを自動的に食べるのではなく、その都度自分の身体の声を聞きながら自分に合った食事法を見つけていくことが、大切なことと言えます。

コルノ・ボヴィーノの実践料理教室では長い目で見た取り組みを、ときには掟破りもしながら、たのしく食卓で共有できることを願っております。

 

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